企業内会計士の日々

企業内会計士(管理職)として、日々の質問対応結果(会計・税務中心)を記事にするブログです。同じことで悩んだ人の役に立てればと思ってます。たまに、書評や日々のアイデアも記事にします。

【会計】引当金・未払費用・未払金の違いについて

 

【会計】引当金・未払費用・未払金の違いについて

引当金・未払費用・未払金の違いをよく理解していない質問を受けたため、その内容を記事とします。

ただ、こんな違いを理解していない方が一般的だと思いますので、困っている人に少しでも役に立てれば幸いです。

 

 質問内容:3か月後1回払いの倉庫賃料を毎月どのように計上するのか

3か月1回払い(後払い)の倉庫賃料について、今までは支払い時に一括費用計上していました。しかし、今後は月次損益を適切に把握するため、月ごとに計上したいと考えています。なお、倉庫賃料は、契約により一定の額(月額×3か月)を支払っています。

そこで、倉庫賃料を毎月計上する際には、引当金・未払金・未払費用のいずれで計上するのが良いかとの質問がありました。

 

すなわち、

  1. 賃借料/引当金
  2. 賃借料/未払金
  3. 賃借料/未払費用

のいずれで計上するのが正しいかとの質問です。

 

質問への回答:未払費用で計上します

回答としては、上記質問にある3の未払費用となります。

 

今回は、費用を計上する際の貸方科目(右側)を何にしたらよいかとの質問で、この場合の貸方科目(右側)は会計用語では債務(将来的に支払うべきもの)といいます。

そして、将来支払う債務を「引当金」とするか、「未払費用」又は「未払金」とするかは、その債務が「見積額」であるか否かによって分かれ、「見積額」であれば「引当金」とします。

また、将来支払うべき債務を「未払費用」とするか、「未払金」とするかは、その債務が継続的な役務提供の対価であるか否かによって分かれ、継続的な役務提供の対価であれば「未払費用」とします。

 

今回の事例に当てはめると、倉庫の賃借料は3か月後1回払いであるが、毎月ごとの賃料は契約で定まっているため、「見積額」ではなく、引当金とはなりません。

次に、倉庫の賃料は契約により毎月継続的発生します(毎月倉庫業者より役務提供を受ける)ので、継続的な役務提供の対価となるため、未払費用となります。

 

回答の根拠

今回の内容は、企業会計原則で定めれています。

具体的には、企業会計原則注解 注5経過勘定項目について と 注18引当金について に記載されています。

根拠まで確認したい方は、一度ご確認ください。

 

今回の記事は以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。