【会計】税効果会計 解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異について
【法務】清算会社の決算公告について
清算会社について、いつまで決算公告するかについて相談を受けたため、その回答結果を記事とさせていただきます。
質問内容:清算を予定している子会社があるのですが、いつまで決算公告が必要ですか。
私が勤務している会社で、清算を予定している子会社があります。
その子会社の決算公告は、親会社(私が勤務している会社)のホームページ(以下、HP)で決算公告(電子公告)を行っています。
そこで、HPの管理をしている人から上記の質問を受けました。
質問への回答:清算が完了したら決算公告は不要。
回答の根拠
色々調べたのですが、根拠となるような条文はありませんでした。
ただ、色々と調べると、「計算書類承認後5年間を経過する日まで、決算公告はホームページに掲載しなければなりません」との記載もありました。
そのため、5年は掲載しないといけないのではとも考えましたが、そもそも「清算しているのになぁ…」とも思い、司法書士の先生に確認しました。
確認した結果は、良く分からないとのことでした…。ただ、清算してしまえば、HPへの掲載はしなくても良いのではと思うよと言われたため、掲載不要としました。
明確な根拠はありませんが、今回はこのような回答としました。
皆さんのお役に立てると幸いです。
今回は、2年半ぶりに更新しました。久しぶりに見たら、結構アクセスがありましたので、今後は無理のない範囲で更新していきます。
よろしくお願いいたします。
【会計・税務】固定資産の取得価額について
【会計・税務】固定資産の取得価額について
土地の鑑定評価料を固定資産の取得価額に算入すべきかどうかのについて質問がありましたので、その検討結果を記事とさせていただきます。
質問内容:鑑定評価料は土地の取得価額に算入する必要がありますか
土地取得の際に、土地の鑑定評価を行い、その評価額を基礎に売買価額を決定しました。
そこで、この場合に支払われる土地の鑑定評価料は、費用とするのではなく、土地の取得価額に算入する必要がありますかとの質問がありました。
質問への回答:土地の取得価額に算入する必要があります
今回の鑑定評価料は、売買契約締結の大前提となる売買価額を決定するための費用であり、土地を購入するために要した費用である。従って、土地の取得価額に算入する必要があります。
回答根拠
有形固定資産の取得原価には、原則として、当該資産の引取費用等の付随費用を含めるとされています(企業会計原則第三・五D)。
そのため、固定資産を購入によって取得した場合には、購入代金に買入手数料、運送費、荷役費、据付費、試運転費等の付随費用を加えて取得原価とします。
詳細は、下記サイトをご参照ください。
今回の鑑定評価料は、土地を取得するために必要な付随費用であると言えるため、土地の取得価額に算入する必要があると考えます。
なお、今回の事例については、鑑定評価料を取得価額に算入しましたが、土地の購入に関連しない鑑定評価料については、取得価額に算入する必要はありません。
そのため、鑑定評価料は一律に取得価額に算入する必要がなく、個々の事案ごとに検討する必要があることにご留意ください。
以上が質問の回答となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【税務】消費税引上げ経過措置の適用について
【税務】消費税引上げ経過措置の適用について
消費税引上げ経過措置の適用について質問がありましたので、その検討結果を記事とさせていただきます。
質問内容:消費税引上げ経過措置は、適用しないことは可能ですか
消費税引上げ経過措置が適用される取引を行っていますが、経過措置が適用される取引については、必ず経過措置を適用しなければなりませんかとの質問がありました。
すなわち、消費税引上げ経過措置が適用される取引について、経過措置の対象となった場合でも、経過措置を適用せず、新税率(10%)で取引を行うことができるのかとのことでした。
質問への回答:消費税引上げ経過措置は、強制適用です
結論としては、消費税引上げ経過措置が適用される取引は、選択適用できず、強制適用になります。
消費税引上げ経過措置の各規定により、旧消費税率を適用することとされている場合は、当該経過措置が適用される取引について必ず経過措置を適用し、旧税率(8%)により消費税額を計算することが必要となります。
回答根拠
国税庁消費税室が公表している、「平成31年(2019年)10月1日以降に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】」問8に、同様の質問及び回答がありました。
以上が質問の回答になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【税務】消費税 税率10%の請求書発行について
【税務】消費税 税率10%の請求書発行について
来年度の保守契約(2019年4月から2020年3月まで)に関する請求書の発行に当たって、消費税率10%で請求しても良いのかとの質問がありましたので、その検討結果を記事とさせていただきます。
質問内容:今年3月に消費税10%の請求書を発行できますか
2019年3月に、2019年4月から2020年3月までの1年間の保守契約を締結し、2019年3月中に1年分の保守契約を請求します。
この保守契約は月額であり、契約期間が2020年3月までであるため、消費税増税が予定どおり行われた場合には、下記の消費税率が適用されます。
・2019年4月~2091年9月:消費税率8%
・2019年10月~2020年3月:消費税率10%
そこで、2019年3月に請求書を発行する際に、2019年10月~2020年3月分を消費税率10%として請求できるのかとの質問がありました。
質問への回答:消費税率10%の請求書を発行できます
請求書の金額は、取引当事者間の合意により決定されるものであるため、取引当事者間で合意が得られているのであれば、消費税10%の請求書の請求書も発行可能です。
ただし、仮に消費税増税が行われなかった場合には、返金が必要になりますのでご留意ください。
参考情報
国税庁消費税室が発行している「平成 31 年(2019 年)10 月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【具体的事例編】 」の問7にも同様のケースの事例があり、同様に10%で支払いを行っているため、問題はないことが伺えます。
消費税率引上げに伴う経過措置 リーフレットとQ&Aの公表 国税庁 | 税務情報
以上が質問の回答となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【会計】固定資産の解体費用等の計上タイミングについて
【会計】固定資産の解体費用等の計上タイミングについて
拠点閉鎖を決定したことにより、固定資産の解体費用等をどのタイミングで計上できるのかとの質問がありましたので、検討結果を記事とさせていただきます。
質問内容:閉鎖決定により、解体前に解体費用等を引当計上できますか
来年度にある拠点を閉鎖することを取締役会で決定しました。
取締役会の意思決定に当たっては、費用の試算をするため、業者より解体・撤去費用の見積を入手しました。
そこで、来年度の閉鎖であるものの、今年度の取締役会で決定していることから、今年度(意思決定年度)に解体・撤去費用等を引当金計上することができますか。
なお、前提としては、土地の時価が高く、減損損失は認識されていません。
質問への回答:解体前に解体費用等を引当計上することはできません
拠点閉鎖の意思決定を行ったとしても、期末までに解体工事等が行われていない場合は、費用の発生が当期以前の事象に起因していると判断されないため、引当金の計上要件を満たしておらず、引当金を計上することはできません。
なお、今回の事例とは異なりますが、減損損失が認識された場合には、建物や内装の解体費用については、減損損失の認識・測定又は除却損の算定に加味されるため、減損損失等に含まれると考えます。
【会計】引当金・未払費用・未払金の違いについて
【会計】引当金・未払費用・未払金の違いについて
引当金・未払費用・未払金の違いをよく理解していない質問を受けたため、その内容を記事とします。
ただ、こんな違いを理解していない方が一般的だと思いますので、困っている人に少しでも役に立てれば幸いです。
質問内容:3か月後1回払いの倉庫賃料を毎月どのように計上するのか
3か月1回払い(後払い)の倉庫賃料について、今までは支払い時に一括費用計上していました。しかし、今後は月次損益を適切に把握するため、月ごとに計上したいと考えています。なお、倉庫賃料は、契約により一定の額(月額×3か月)を支払っています。
そこで、倉庫賃料を毎月計上する際には、引当金・未払金・未払費用のいずれで計上するのが良いかとの質問がありました。
すなわち、
- 賃借料/引当金
- 賃借料/未払金
- 賃借料/未払費用
のいずれで計上するのが正しいかとの質問です。
質問への回答:未払費用で計上します
回答としては、上記質問にある3の未払費用となります。
今回は、費用を計上する際の貸方科目(右側)を何にしたらよいかとの質問で、この場合の貸方科目(右側)は会計用語では債務(将来的に支払うべきもの)といいます。
そして、将来支払う債務を「引当金」とするか、「未払費用」又は「未払金」とするかは、その債務が「見積額」であるか否かによって分かれ、「見積額」であれば「引当金」とします。
また、将来支払うべき債務を「未払費用」とするか、「未払金」とするかは、その債務が継続的な役務提供の対価であるか否かによって分かれ、継続的な役務提供の対価であれば「未払費用」とします。
今回の事例に当てはめると、倉庫の賃借料は3か月後1回払いであるが、毎月ごとの賃料は契約で定まっているため、「見積額」ではなく、引当金とはなりません。
次に、倉庫の賃料は契約により毎月継続的発生します(毎月倉庫業者より役務提供を受ける)ので、継続的な役務提供の対価となるため、未払費用となります。
回答の根拠
今回の内容は、企業会計原則で定めれています。
具体的には、企業会計原則注解 注5経過勘定項目について と 注18引当金について に記載されています。
根拠まで確認したい方は、一度ご確認ください。
今回の記事は以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【開示】有形固定資産の明細 建設仮勘定の増減額の集計について
【開示】有形固定資産の明細 建設仮勘定の増減額の集計について
計算書類に係る附属明細書の「有形固定資産および無形固定資産の明細」での、建設仮勘定の当期増加額・当期減少額の集計方法について質問がありましたので、その検討結果を記事とさせていただきます。
質問内容:建設仮勘定の増減額はどのように集計したら良いですか
計算書類に係る附属明細書の「有形固定資産および無形固定資産の明細」での、建設仮勘定の当期増加額・当期減少額の集計方法についての質問です。
当社では固定資産取得する際には、必ず建設仮勘定を経由して計上しています。
①請求書受領時 建設仮勘定/未払金
②支払い時 未払金/預金
③固定資産取得時 有形固定資産/建設仮勘定
この場合、総勘定元帳の建設仮勘定の借方発生累計額を固定資産台帳の増加額、総勘定元帳の建設仮勘定の貸方発生累計額を固定資産台帳の減少額とした方がよいですかとの質問がありました。
なお、従来は期首残高を減少額に転記し、期末残高を増加額に転記する方法(洗替方式)で作成していました。
質問への回答:従来のからの洗替方式で大丈夫です
従来から、期首残高を減少額、期末残高を増加額とする方法(洗替方式)を採用しているのであれば、その方法を継続していただければ大丈夫です。
なお、監査法人勤務時代の経験では、下記の3パターンの流派(???)がありました。
- 総勘定元帳の建設仮勘定の借方発生累計額を固定資産台帳の増加額、総勘定元帳の建設仮勘定の貸方発生累計額を固定資産台帳の減少額とする方法(このパターンは、固定資産の取得が少ない企業に多かったです。)
- 建設仮勘定を厳密に集計する方法(支払から取得までに期間が空く、厳密的な建設仮勘定のみを選別して集計する方法。なお、この場合は、そもそも建設仮勘定の使い方も、同様な意味で利用している場合が多いです。そのため、結果としては、①と同様になります。)
- 建設仮勘定の期首残高を減少額、建設仮勘定の期末残高を増加額とする方法(洗替方式)
上記のいずれかの方法を継続して採用していれば、どの方法でも大丈夫です。
今回の記事は以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。