企業内会計士の日々

企業内会計士(管理職)として、日々の質問対応結果(会計・税務中心)を記事にするブログです。同じことで悩んだ人の役に立てればと思ってます。たまに、書評や日々のアイデアも記事にします。

【監査】監査報酬(コスト)削減セミナーに参加して

 

【監査】監査コスト(報酬)削減セミナーに参加しました

 

先日、監査コスト(報酬)削減セミナーに参加しました。

このセミナーは、某大手監査法人の現役公認会計士が講師となったセミナーでした。

そもそも、大手監査法人の現役公認会計士がこのようなセミナーの講師をやっていいのかとの疑問もありますが、セミナーの概要、セミナーに参加した私自身の感想をお伝えしたいと思います。

 

監査コスト(報酬)削減セミナーの内容

今回のセミナーの概要を説明します。結論から先に言いますと、大幅に監査コスト(報酬)を削減できるような、夢のような手法はありませんでした。

 

  • 監査報酬は、「監査時間×単価(1万円~2万円ぐらい?)」で計算される。
  • 上記の算式から、監査(コスト)報酬を下げるためには、監査時間を下げる必要がある。
  • 監査時間を下げるためには、被監査会社も監査手法を理解する方が有益であるため、監査手法の説明。
  • 監査手法を理解したうえで、その手法に対し監査法人公認会計士の手間を減らす方法(=監査時間を減らす方法)の説明。
  • また、決算付近で問題事案が発見されると、監査法人公認会計士が繁忙期となるため、問題解決に時間がかかるため、監査時間は増大しやすい。(ここでは、3月決算の会社を想定していると思います。)
  • 早め早めに監査法人公認会計士へ相談することも監査時間を減らす要因となる。
  • 監査法人公認会計士も忙しいため、相談を受けたクライアントごとに対応しているのが実態。被監査会社から積極てきに相談した方がよい。

 

セミナーの概要は上記のとおりです。

今回記事は、セミナーの概要や私の考えたこと等を記載することが趣旨ですので、説明はこの程度でとどめさせていただきます。

今後、私の監査法人での経験を踏まえ、詳細を別のブログ記事にさせていただきます。

 

監査コスト(報酬)削減セミナーを受けた雑感

セミナーを受けた私の雑感を報告させていただきます。

まだ、監査法人を退職して間もないため、監査法人側の論理に影響されている部分も多々あるかなとも思いますが、ご容赦ください。

 

セミナーの内容に同意する部分

監査報酬の計算は、「監査報酬=監査時間×単価」で計算されていることは事実であり、監査時間を減らすことが監査報酬をさげることにつながるのは、そのとおりたと思います。

被監査会社では、監査法人公認会計士の監査手法を理解し、その対応時間を減らすような体制を作ることは、監査をする側の時間を減らすことにつながります。また、その結果として、監査を受ける側の対応時間を減ることになると思います。(ここでの、監査手法の理解は、監査法人公認会計士の手口を理解し、不正をしろとの意味ではなく、あくまでの手間を減らすとの意味ですので、その点だけはご理解ください。)

ただ、実際には、上記のような対応をしても、金融庁の締め付けが厳しい現在の監査環境から勘案すると、監査報酬の現状維持または微減ぐらいにしかならないのではと思います。

 

セミナーの内容に同意しない部分

タイトルは「同意しない部分」となっていますが、どちらかというと、このような説明もあった方がよいのではとの私の意見です。

今回のセミナーに参加している企業(被監査会社)にとっては、監査コスト(報酬)を下げたいと思って参加しているため、現状維持や微減程度では納得できないと思います。

そして、今回のセミナーに参加している企業(被監査会社)にとっては、現状の監査報酬が、監査法人公認会計士から受ける監査の価値に見合っていないと感じているからこそ、このようなセミナーを受けていいるのだと思います。

一方で、被監査会社は法律上(被監査会社の業界により、定めている法律はまちまちです。)で定められているから、現在の状態を変えない限り公認会計士の監査から逃れられない状況です。

そのため、少しでも監査の価値が上がったと思えるような方策を考えるほうが建設的かなと思っています。

監査の価値が上がった思うためには、公認会計士を監査だけで使うのではなく、監査報酬の範囲内で、うまく監査法人公認会計士を利用する必要があると思っています。例えば、会計基準の説明をさせるなど・・・

このような説明が、今回のセミナであった方が良かったなと思いました。しかし、今回のセミナーでは終始監査時間のみの話になっていました。

監査法人勤務の公認会計士としては、大手監査法人も、監査の価値=監査時間のみでしか認識していない実情に、少し寂しさを感じました。

 

ここら辺は、また次の機会に説明させていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。